「恩恵を受けた人が払うべきであって、恩恵を受けていないのになぜ払わなければいけないのか?連帯責任はおかしい」という受益者責任・受益者負担の価値観が今後ますますまかり通り始めるだろう。
たとえば、飲み会に行っても、「みんなで楽しんだのだから、1人5000円ずつ出せばいいだろう」という発想がなくなって、「あなたはウーロン茶2杯ですから1000円です。
私はチューハイ4杯飲んだので2400円出します」という調子になってしまう。
そうなってしまうと、この飲み会はもはやみんなで飲んだのではなく、個別の精算にしかすぎない。
このような理屈が、団塊の世代の子供たちの独特な物言いの後ろ盾になるのではないか。
「俺は関係ねえじゃん。
俺はそれ、やってないし、受けてもいない」。
税金というのはこのようなことを認めていない。
この国の国民である以上、やらなければいけないことや払わなければならないもの、という理屈が若者中心にだんだんわからなくなってきている。
義務と権利という2つの言葉の本来の意味など忘れてしまって、自分勝手に解釈し、はき違えてしまっているのである。
年金にしても、将来に相応のキックバックがないから払わないという面も確かにあるが、現在の法体系から言えば、国民の4割近くが保険料を払おうが払うまいが、年金制度は動いて行く。
未納者の分も、真面目に払っている人や給料から自動的に天引きされてしまうサラリーマンの保険料の中でやりくりして行くしかないのだ。
今は払わないが、将来は受給者の対象になりうると考えると、実は年金保険料は「払わない者得」と言えるのだ。
若い人には「俺は年金をアテにしていない。
もらわないからいいよ」と言う人も多いが、老後の生活を自助努力で賄えなければ、たとえば国から生活保護を受けたがるかもしれないし、「私には国民としてそういう権利がある」と主張する人たちが多くなるかもしれない。
このように、年金とはまた別の形で受給対象者が増える可能性が高い。
そんなに都合よく権利は主張できないとなった時に、彼らは新たな理屈付け、新たな主張を展開し始める可能性がある。
その時、スポイルされるはずの彼らよりも、その手の人間の絶対数が増えれば、彼らの声を無視することはできなくなり、既存の秩序が崩壊する可能性の方が高いだろう。
その結果、言ってみれば「ゴネ得社会」が生まれ始める。
今までは、秩序が保たれているから、役所が多少、大雑把な説明をしても、国民も何となく「お上が言うなら仕方ないか」と関わってきた。
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